浜松学院中学校・高等学校 説明会参加報告
開催概要
2025年10月30日(木)10時より、浜松学院中学校・高等学校にて塾関係者向け説明会を実施。前半は中学校の教育・活動概況、後半は高等学校の教育体制・入試関連情報、加えて学園内連携先である浜松学院大学・短期大学部の説明が行われた。
中学校パート
部活動と中高連携
中学生の多くが高校生と合同で活動しており、上級生を身近な手本として技能と規範意識を高めている。中学に設置のある主な部は、吹奏楽、自転車競技、飛込(ダイビング)、男女バスケットボールなど。自転車競技は中学公式大会が少ないものの、高校段階での全国レベル活躍を見据え基礎力を養成。飛込ではJOCジュニアオリンピックで入賞者を輩出。男子バスケットボールは中体連東海大会出場、前年度は全国大会出場の実績。卒業生にはBリーグで活躍する選手もおり、競技実績とロールモデルが示された。
大学連携・校外学習
中学2年生が浜松学院大学を訪問。大学教員による講義紹介、大学生とのグループワーク、キャンパスツアー、学食体験などを通じ、高等教育への具体的イメージを醸成。生徒からは「主体的学び」「時間管理の重要性」等について肯定的な振り返りが得られた。
多文化共生と英語教育
朝の会の英語司会ローテーション、週1コマの会話重視授業(アウトプット重視)を実施。中1でフォニックスから開始し、スピーチやプレゼンで表現力を積み上げ、海外研修で実使用に結び付ける設計。
海外研修(昨年度実施例)
11月上旬にオーストラリア(シドニー)で語学研修。午前はESL、午後は現地授業・交流、バディ制度による1対1ペアリング、ホームステイを伴う生活体験を実施。最終日の交流会では日本文化紹介(生け花・折り紙等)も行い、実践的コミュニケーション力育成に資した。
学力指導と個別最適化
英語・数学は2名体制のティームティーチングや習熟度別授業を弾力運用。第1・第3土曜を中心に英検・漢検・数検の対策講座を展開し、級別目標に応じた教材・演習で合格を後押し。水曜7限には自学時間「スタディタイム」を設定し、静穏環境で50分集中学習を徹底。
特待生制度と進路
従来の人物・活動評価に加え、学力試験優秀者や英検3級以上取得者も対象に拡充。内部進学で高校に進んだ生徒の大学進学率はおおむね約7割で、浜松学院大学・北陸大学等への進学例が紹介された。
近々の催し
10月31日18:00~20:00に小学生以下向けハロウィーンイベントを校内で実施。11月15日には本年度最後のオープンスクールを開催(事前申込制)。
高等学校パート
制服・施設の更新
伝統回帰の意匠と現代性を併せ持つ制服に刷新。女子はパンツスタイル選択可、リボンは赤・青の任意選択。新体育館(アリーナ、卓球室、多目的ホール等)を整備し、学習・部活動双方の環境を拡充。
授業料無償化と学業特待
2025年度より私立高校授業料の公的支援上限が年額457,200円へ。学校設定授業料(年額456,000円)が範囲内のため、条件適合で授業料実質無償化となる見込み。従来の「授業料免除型」の学業特待は、無償化時代を見据え「給付型奨学金」へ転換。A・B・C各段階で年額相当額を支給し、入学金補助も付与する。
コース構成と教育の柱
最適進路実現をキーワードに、①特進コース(第一志望大進学を狙うハイレベル学修)、②ドリーム実現コース(大学・短大・専門・就職まで幅広い進路に対応)、③子ども教育コース(保育・教育系への系統的接続)の三本柱。
特進コース(概況)
授業コマ数を増やし、放課後学習(~20時)や夏季学習合宿(ホテル滞在・朝から夜までの学習サイクル)で学習習慣を強化。探究活動では、自作プログラミング作品発表や社会課題研究など、発表志向の課題に取り組む。過年度実績として旧帝大・GMARCH・関関同立等への合格例が示された。
ドリーム実現コース(概況)
英検・漢検等の自発受検を奨励し、放課後補習で合格率を高める。進路実績は大学・短大で約45%、専門約29%、就職約23%。人手不足を背景に就職ニーズの高まりと医療系専門学校志望の増加傾向が言及された。長年実施の体験型選択授業「KEI(経営の授業)」は、2026年度より「QUEST(探求群)」として再編し、国際・科学技術・ビジネス情報・デザイン書道・ファッション美容・調理栄養・医療福祉・リベラルアーツ等に体系化。
子ども教育コース(概況)
付属幼稚園での実習、保育技術検定、赤ちゃんふれあい体験、社会福祉施設訪問など段階的に実地経験を積む。大学・短大と科目等履修で連携し、高校在学中に上位教育の授業単位取得が可能。成績は概して高位安定。来年度から月1万円×最大36か月の奨学金枠(学業特待との併用可)を新設し、男子含め志願拡大を図る。
大学・短大との学園連携
浜松学院大学は就職支援に強みを持ち、教員採用(小学校・特別支援等)での高い合格率が紹介された。経営学部では「観光ビジネス」「グローバルビジネス」領域を横断学修し、長期インターン(最大10単位)で就職直結力を培う。高校から内部進学者には特別推薦(小論文・面接)や授業料奨学金、受験料・入学金減免、科目等履修の単位振替等のメリットがある。
入試・募集関連(令和8年度入試見込み)
志願状況と教室事情
近年志願者が増加し、現1年生は11クラス編成。敷地の都市計画上の制約から教室増設が容易でなく、適正規模維持のため併願枠の調整を含む募集運用を行う方針。
出願の目安(学校説明における提示)
特進一類・二類、子ども教育、ドリーム実現の各コースで、五教科または九教科の目安点を提示。数値はあくまで目安であり、向学心や出欠状況、人物面等を総合勘案。成長意欲の高い生徒については個別相談に応じる。
特待・奨学金
学業特待は給付型へ移行し、コース別に基準を設定。部活動特待は入学金・諸費用減免中心に再構成。入試後の学力結果に基づく判定を基本とし、詳細は個別に通知。内部進学希望者には学園特別推薦枠や授業料奨学金の可能性がある。
部活動・課外
高校では学習時間を確保しつつ、競技レベルに応じて活動を調整。eスポーツ等の新領域にも挑戦。大学側でも硬式野球・テニス等の部を拡充し、高大接続での競技継続の場を広げる。