西遠女子学園中学校・高等学校 説明会参加
開催日時:2025年10月24日(金)10:30~12:00
会 場:同校(スライド投影・配布資料あり)
出席者:校長、進学指導部(部長)、各教科(英語・国語・数学・理科・社会)担当、教頭/広報・入試担当
会 場:同校(スライド投影・配布資料あり)
出席者:校長、進学指導部(部長)、各教科(英語・国語・数学・理科・社会)担当、教頭/広報・入試担当
1.配布物・進行
当日は、次第とスライド資料を基軸に説明が進められ、学園案内や学内ポスター、中学・高校の募集要項(色分けされた冊子)、出願書類一式、各教科の入試問題サンプルが配付されました。
説明会終了後の回収を前提としたアンケートも配られ、回答協力の依頼がありました。
2.学校方針・教育理念(校長)
校長からは、国内外のジェンダーギャップ指標に見られる課題、とりわけ静岡県における経済・教育分野の低位を踏まえ、女子校として女性の潜在力を最大化し地域社会の変革に資する人材を育成する方針が示されました。
具体的には「未来を拓く学びのデザイン」を枠組みとし、知識・スキル、人間性、データリテラシー/探究を統合して実社会の課題解決につなげる教育を実施します。
学園祭や創作ダンス、学年間協働の課題探究、平和教育、国際交流を通して、リーダーシップとフォロワーシップの双方を涵養し、女子が当たり前に大学で学ぶ文化をさらに強化していく意志が表明されました。
3.コース改編(令和8年度)
令和8年度の入学生からは、高校のコースを「特別進学コース」と「国際探究コース」の二本立てに再編します。
国際探究コースでは、進路・キャリア教育と探究活動を統合し、英語運用力を発表・討論・プレゼンまで実践的に育てます。
留学や受け入れを柔軟に扱い、地元中学に在籍する外国籍生徒向けの特別枠(若干名)も設けます。
公立中学出身者には春期の先取り補習や英数のブリッジ指導を行い、英語は前期に分割編成のうえ後期から合流させるなど、学習・学校文化双方へのスムーズな適応を支援します。
4.進学実績・指導体制
直近学年の現役進学率は88%、4年制大学進学率は78%であり、国公立大学には7名(全員現役)、超難関・難関私大には29件の合格実績がありました。
入試方式では近年、一般選抜と共通テスト利用の比率が回復傾向にあります。学校は5教科で戦える学力形成と、探究活動で外発的動機を高める取り組みを両輪で推進し、受験期のみならず大学入学後の学びにつながる姿勢と基礎体力の育成を重視しています。
5.主な教育活動
総合探究は学園祭やパフォーマンス大会などの大型行事に組み込み、課題設定から制作・発表・省察までを一貫して経験させます。
平和教育では高校生主体のリレーや討議、講師招聘による交流を行い、国際実践としては留学生受け入れや海外提携校とのオンライン交流、長野県飯田地区の私学連携を準備しています。
「トビタテ!留学JAPAN」採択者を継続的に輩出しており、理科系の全国プレゼン大会奨励賞や歴史ジオラマ制作、ボランティアアワード参加など、部活動・課外にも探究を広げています。
6.令和8年度 高校入試の概要
募集は特別進学コース約130名、国際探究コース約120名を予定し、試験日は令和8年2月3日(火)に実施されます。
特別進学コースは5教科、国際探究コースは3教科と面接で選抜します。
出願基準の目安は単願・併願で異なり、詳細は当日の基準表で示されました。
特進の基準に満たない志願者でも受験は可能で、当日の総合成績により特進合格か国際探究合格かを判定するスライド方式を採用します。
学校見学や個別相談は、11月13日の合同フェアに加え、11月29日と12月14日の説明会、さらに11~12月の土曜見学日にて受け付けます。
7.科目別 入試傾向と対策
英語は試験時間50分のまま、リスニング・リーディング・ライティングの三技能を均衡させた構成に改めます。指示語参照や根拠抽出の言い換え、理由説明の記述に課題が見られ、テーマ設定型英作文は30~45語を自然な英文でまとめる練習が推奨されました。
国語は漢字が堅調である一方、語彙・文法と資料読解の弱さが目立ち、会話要約の無得点・空欄が散見されました。
数学は計算・関数・データ分析・図形の標準構成で、初動の計算精度と処理速度、典型題の取りこぼしが課題です。
理科は基礎知識の横断活用と記述が鍵で、濃度・浸透など数量関係の理解と問題文情報の精読が必要です。
社会は教科書レベルの基本事項の徹底と、地図・グラフ・写真の資料読解、因果を明確に述べる短文記述を重視します。
8.参考事例・エピソード
国際探究コースでは、公立中出身の生徒が行事や探究で役割を広げ、推薦型選抜で芸術系の国公立大学に合格した事例が紹介されました。
帰国生の一般選抜合格例や、入学時に上位層不在だった学年が二年次に最上位ランクを複数輩出するまで伸長したデータも示され、ブリッジ学習と自学継続、探究による動機づけの効果が強調されました。
9.連絡事項・依頼
配付されたアンケートは回収をもって意見反映とし、入試基準の具体的数値や取り扱いは配付資料の最新版を参照するよう求められました。
学校見学や個別相談は、説明会や土曜見学日を通じて受け付けており、受験生・保護者に対して早めの予約と情報収集を促しています。
10.塾運営への示唆
指導現場では、英語の根拠特定から言い換え・理由記述、30~45語英作文の構成訓練を重ねることが有効です。
国語は語彙・文法の底上げと資料・図表の全体把握からの要約を意識づけ、数学は計算の自動化と関数・図形の定番手順の反復を通じて取りこぼしを抑えます。理科は用語の意味理解と数量関係の往復演習を、社会は基本用語を確実にしながら資料読み取りと短文記述で因果を可視化します。出願設計では、特進基準未達でも当日成績でのスライド判定を踏まえ、挑戦校と安全校の併走を計画的に組み立てることが望まれます。